先日、ソフトバンクが楽天モバイルに転職した元社員が不正競争防止法違反の容疑で逮捕されたと発表しました。
元社員がソフトバンクから5Gなどの技術情報を不正に持ち出したとしています。
いつの時代でもライバルの機密情報は、喉から手が出るほど欲しい重要なものです。
これは、戦国時代でも同じです。
豊臣秀吉が小牧長久手の戦いで徳川家康と講和した後、突如、徳川家の機密情報に詳しい立場である腹心の石川数正が出奔し、秀吉の直参大名となりました。
出奔の理由については、いろいろな説があります。
- 8万石の大名身分に目が眩んだ
- 家康の長男の信康事件への反抗
- 徳川家中での派閥争い
代々受け継がれてきた軍制などの機密情報を持ち出された徳川家は、慌てて武田家流の軍制に転換をしたそうです。
家臣一人の行動によって、大きな負担を強いられる事になりました。
しかし、これをきっかけに徳川家における武田家のノウハウへの重要性が増し、武田の旧臣の地位向上が図られるなどイノベーションへと繋がります。
現代でも機密情報のセキュリティは重要ですが、それを扱う社員たちへの教育およびフォローアップ、法的なガバナンス整備などの事前対応も重要です。
ちなみに、石川家は次代の康長が、1613年に徳川幕府によって、大久保長安事件への連座を理由に改易されています。